深夜の断水はなぜ起きるのか管理人に聞く
今回は、都内の中規模マンションで十数年にわたり管理人を務める田中さん(仮名)に、深夜の水トラブルの実情についてお話を伺うことができました。「深夜に水が出ないという連絡で一番多いのは、やはり給水ポンプの故障ですね」と田中さんは語ります。「多くのマンションでは、受水-槽に貯めた水をポンプで各住戸へ圧送しています。このポンプは24時間稼働しているわけですが、特に深夜は水の使用量が減るため、ポンプが停止と稼働を繰り返す中で不具合が発生しやすいのです。経年劣化による部品の摩耗や、電気系統のトラブルが引き金になることが多いですね」。次に多いのが、計画断水の告知の見落としだそうです。「掲示板やチラシでお知らせしていても、深夜に帰宅される方は気づかずに驚いて電話してくるケースが後を絶ちません」。また、冬場に特有なのが水道管の凍結です。「特に築年数の古いマンションで、配管が外気に晒されている部分があると、記録的な冷え込みの夜に凍結して水が出なくなることがあります。これは自然に溶けるのを待つか、専門業者による解氷作業が必要になるため、復旧に時間がかかり厄介です」。最後に、田中さんはこうアドバイスしてくれました。「もし水が出ないと気づいたら、まずは落ち着いて他の蛇口も確認し、それでもダメなら必ず管理会社の緊急連絡先に電話してください。それが最も確実で早い解決に繋がります」。プロの言葉は、いざという時の心強い指針となるでしょう。