我が家のトイレの床は明るい色のクッションフロアでしたが、ある時、便器の右側付近だけが少し黒ずんでいることに気づきました。最初は汚れかと思い、洗剤をつけて強くこすってみましたが、全く落ちる気配がありません。よく観察してみると、それは表面の汚れではなく、素材の裏側から何かが染み出しているような、独特の変色でした。不審に思って便器の付け根を指で触ってみると、わずかに湿った感触がありました。そこでようやく、これが巷で聞く「便器と床の間からの水漏れ」であると自覚したのです。ショックだったのは、特に大きなトラブルもなく、普通に流れていたことです。詰まることもなく、異音がすることもなく、ただ静かに床を汚し続けていたのです。業者を呼んで点検してもらったところ、便器を固定するフランジボルトの周辺が劣化しており、水を流すたびに数滴ずつ、床下に水が回っていたことが分かりました。その数滴が蓄積され、クッションフロアを内側から腐敗させ、あの黒ずみを生んでいたのでした。修理のために便器を外すと、そこには想像以上に不衛生な光景が広がっていました。漏れていたのは排水そのものでしたので、カビと雑菌が繁殖し、言葉では言い表せないほどの悪臭を放っていたのです。幸いなことに、業者の適切な処置によって接続部材が新しくなり、水漏れは完全に止まりました。しかし、一度変色してしまった床材は元に戻らず、結局床全体の張り替えを行うことになりました。この一件で学んだのは、トイレの異常は音や流れ方だけでは判断できないということです。特に床との接地面は、視覚的な変化が現れる頃にはすでに手遅れに近い状態になっていることが多いものです。今では毎週一度、懐中電灯を持って便器の根元を照らし、水滴や変色がないかを確認することを家族の決まり事にしています。今回の経験で痛感したのは、トイレの床という場所は異常が起きていても気づきにくいということです。マットを敷いているとさらに発見が遅れます。それ以来、私はトイレマットを置くのをやめ、毎日床を拭き掃除する際に、便器との接地面に異常がないかを確認することを日課にしています。
床の変色で判明したトイレの故障