マンションやアパートなどの集合住宅における給湯器の交換は、一戸建てとは異なる特有のルールや費用構造が存在します。最も一般的なのは、玄関脇のパイプシャフトと呼ばれるスペースに設置されているタイプですが、この場合は設置スペースのサイズに制限があるため、既存の機種と全く同じサイズか、専用のアダプターを使用できる機種を選ぶ必要があります。この専用枠や金枠と呼ばれる部材代が別途一万円前後かかることが一般的で、給湯器交換費用の見積もりを確認する際には、これらの付随費用が含まれているかを注視しなければなりません。また、マンション高層階などの場合は、強風対策が施された特殊な排気構成を持つ機種が必要になることもあり、本体価格が標準品よりも高くなる傾向があります。さらに、エコジョーズを導入したいと考えても、ドレン排水を流すための排水管が共有部分に確保できないという理由で、管理組合から設置を認められない、あるいは専用の排水処理設備を追加するための工事費が跳ね上がるといったケースも散見されます。集合住宅での工事は、近隣への配慮や作業時間の制限があるため、工事費が戸建てに比べて割高に設定されていることもありますが、基本的には標準的な交換であれば作業時間は二時間から三時間程度で完了します。費用を安く抑えるコツとしては、マンション内で一斉に交換時期を迎えている場合、近隣住民と協力して同じ業者にまとめて発注することで、出張費の削減やボリュームディスカウントを引き出せる可能性があります。一方で、管理会社が紹介する業者はマージンが上乗せされていることが多いため、自分で複数の専門業者から相見積もりを取ることで、数万円単位で費用を浮かせることができるでしょう。ただし、安さだけを優先して無資格の業者が施工を行い、後に水漏れやガス漏れなどのトラブルが発生して階下に被害を与えてしまった場合、多額の賠償責任が生じるリスクもあります。集合住宅だからこそ、損害保険への加入状況や施工実績が確かな業者を選ぶことが、目に見える費用以上の安心を手に入れることに繋がります。
集合住宅における給湯器交換費用の注意点