便器の根元から水漏れ!ワックスリングの劣化とは
トイレの床の水漏れの中でも、特に厄介で専門的な対応が必要となるのが、便器の根元、つまり床との設置面から水が滲み出してくるケースです。この場合、その原因のほとんどは、便器と床下の排水管を接続し、水漏れと臭いを防いでいる「ワックスリング」という部品の不具合にあります。ワックスリングは、その名の通り、粘土状のワックス(蝋)でできたドーナツ状のシール材です。便器を床に設置する際に、排水管の口と便器の排水口の間に挟み込むようにして設置します。その粘着性と柔軟性によって、両者の隙間を完全に塞ぎ、水や下水の臭いが室内に漏れ出てくるのを防ぐという非常に重要な役割を担っています。しかし、このワックスリングは、長年の使用や、地震などの強い揺れによって便器の位置がわずかにズレることで、変形したり、隙間が生まれたりすることがあります。また、ワックス自体が経年で硬化し、その密閉性を失ってしまうこともあります。そうなると、トイレの水を流すたびに、その隙間から汚水が少しずつ漏れ出し、便器の根元から床へと滲み出てくるのです。このタイプの水漏れは、漏れ出してくるのが下水であるため、不衛生であることはもちろん、放置すれば床下の腐食やカビ、悪臭の原因となり、建物に深刻なダメージを与えます。ワックスリングの交換は、一度便器を床から完全に取り外し、古いワックスをきれいに剥がしてから新しいものを取り付け、再度便器を設置し直すという大掛かりな作業が必要です。重量のある便器を扱う危険性や、排水管との正確な位置合わせなど、専門的な技術を要するため、この症状が見られた場合は、迷わずプロの水道業者に修理を依頼するのが最も安全かつ確実な方法です。