マンションの給水と深夜断水の仕組み
私たちがマンションで毎日何気なく使っている水は、いくつかの方式を経て各戸の蛇口まで届けられています。その仕組みを理解することは、深夜に突然水が出なくなる原因を探る上で非常に重要です。主に、マンションの給水方式は「直結方式」と「貯水槽方式」に大別されます。比較的新しい中低層の建物に多いのが、水道本管の水圧を直接利用して給水する「直結直圧式」や、圧力が足りない分を増圧ポンプで補う「直結増圧式」です。これらの直結方式は、水道局からの供給が止まらない限り、断水のリスクは比較的低いとされています。一方で、多くの高層マンションや大規模マンションで採用されているのが、一度、敷地内の受水槽に水を貯め、それをポンプで屋上の高置水槽へ汲み上げるか、加圧給水ポンプで直接各戸へ圧送する「貯水槽方式」です。この方式は、安定した水圧で大量の水を供給できるメリットがありますが、トラブルの発生箇所が多くなるという側面も持っています。例えば、受水槽や高置水槽の定期清掃があれば計画断水になりますし、水を汲み上げるポンプが故障すれば、当然ながら全ての部屋で水が止まります。特に深夜は水の使用頻度が低いため、ポンプの稼働と停止が切り替わるタイミングで不具合が起きやすい傾向にあります。また、貯水槽の水位を検知するセンサーの異常なども、断水の原因となり得ます。これらの設備は全てマンションの共用部にあるため、個人では対処できません。深夜の水トラブルの際に、まず管理会社へ連絡すべきなのは、こうした給水システムの構造に起因しているのです。