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トイレタンクからの水漏れが床を濡らす仕組み
トイレの床が濡れている原因を探ると、意外にも便器の根元ではなく、トイレタンク自体に問題があるケースが少なくありません。陶器でできたタンクにヒビでも入らない限り、タンクそのものから水が漏れることは稀ですが、タンクにはいくつかの部品が取り付けられており、それらの接合部にあるパッキンの劣化が床への水漏れを引き起こすのです。代表的な原因箇所は二つあります。一つは、便器とタンクを固定している「密結ボルト」です。タンクの底には、便器に固定するための二本のボルトが通っており、その内側と外側にはそれぞれゴム製のパッキンが取り付けられています。このパッキンが長年の使用で劣化して硬くなったり、ひび割れたりすると、その隙間からタンク内の水がじわじわと漏れ出してきます。漏れた水は、ボルトを伝ってタンクの底から便器の外面を流れ落ち、最終的に床に水たまりを作ります。もう一つの原因箇所は、タンクと便器の間にあり、水を流す際の通り道となる大きな穴を塞いでいる「密結パッキン」です。これもゴム製の部品で、劣化すると弾力性を失い、タンクと便器の間に隙間ができてしまいます。この場合、レバーを引いて水を流した際に、その隙間から水が勢いよく、あるいはじわじわと溢れ出し、床を濡らすことになります。普段は漏れていなくても、水を流した時だけ床が濡れるという場合は、この密結パッキンの劣化を疑うべきでしょう。これらのパッキンは消耗品であり、設置から十年以上経過しているトイレでは、いつ不具合が起きても不思議ではありません。タンクの側面や裏側を水が伝った跡がないか、水を流した時にだけ漏れてこないか、といった点を注意深く観察することが、原因を特定する手がかりとなります。
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深夜の断水はなぜ起きるのか管理人に聞く
今回は、都内の中規模マンションで十数年にわたり管理人を務める田中さん(仮名)に、深夜の水トラブルの実情についてお話を伺うことができました。「深夜に水が出ないという連絡で一番多いのは、やはり給水ポンプの故障ですね」と田中さんは語ります。「多くのマンションでは、受水-槽に貯めた水をポンプで各住戸へ圧送しています。このポンプは24時間稼働しているわけですが、特に深夜は水の使用量が減るため、ポンプが停止と稼働を繰り返す中で不具合が発生しやすいのです。経年劣化による部品の摩耗や、電気系統のトラブルが引き金になることが多いですね」。次に多いのが、計画断水の告知の見落としだそうです。「掲示板やチラシでお知らせしていても、深夜に帰宅される方は気づかずに驚いて電話してくるケースが後を絶ちません」。また、冬場に特有なのが水道管の凍結です。「特に築年数の古いマンションで、配管が外気に晒されている部分があると、記録的な冷え込みの夜に凍結して水が出なくなることがあります。これは自然に溶けるのを待つか、専門業者による解氷作業が必要になるため、復旧に時間がかかり厄介です」。最後に、田中さんはこうアドバイスしてくれました。「もし水が出ないと気づいたら、まずは落ち着いて他の蛇口も確認し、それでもダメなら必ず管理会社の緊急連絡先に電話してください。それが最も確実で早い解決に繋がります」。プロの言葉は、いざという時の心強い指針となるでしょう。