「あー、またか…」。その日は、朝から台所のシンクの排水が悪く、水がゴポゴポと音を立てながらゆっくりとしか流れていきませんでした。数日前から兆候はあったものの、まさか完全につまってしまうとは。油断していました。まず最初に試したのは、お湯攻撃です。熱すぎない程度のお湯をシンクに溜め、一気に排水口に流し込みました。しかし、流れていく気配は全くありません。油汚れが固まっているのだろうと予想していたのですが、どうやらそれだけではなさそうです。次に、市販の液体パイプクリーナーを投入。説明書通りに規定量を流し込み、期待を込めて30分待ちました。その間、換気扇を回し、窓も開けて念入りに換気。時間が来て、水を流してみると…やはり変化なし。シンクに溜まった水は、微動だにしません。これは手強いぞ、と悟りました。いよいよ最後の手段、ラバーカップの登場です。シンクに水を溜め、排水口にラバーカップをしっかりと密着させます。そして、渾身の力を込めて押し込み、引き上げる動作を繰り返しました。何度か繰り返すと、ゴポッ!という音とともに、シンクの水が勢いよく吸い込まれていくではありませんか!「やったー!」と、思わず声が出ました。しかし、これで安心したのも束の間。数日後、またしてもシンクの排水が悪くなっていることに気づきました。今度はラバーカップも効果が薄い。これは、排水管の奥で何か頑固なものが詰まっているに違いない。そう思い、今度はワイヤーブラシを購入して挑戦することにしました。ワイヤーブラシを排水口から慎重に差し込み、手応えを探りながら少しずつ奥へ。すると、ある場所でガツンと何かにぶつかる感触が。そこをグリグリと回しながら、少しずつ引き抜くと…出てきたのは、想像を絶する量の油と食べカスの塊、そして髪の毛が絡み合った、ドロドロの黒い物体でした。これを見た瞬間、ゾッとしました。これでは詰まるはずです。それ以来、我が家では定期的にパイプクリーナーを使うだけでなく、揚げ物などで使った油は決して流さず、凝固剤で固めてから捨てるように徹底しています。そして、シンクのゴミ受けネットもこまめに交換するようにしました。台所の排水口つまりは本当に厄介ですが、原因を知り、適切な対処をすることで防げるものだと痛感した経験でした。
我が家の台所排水口つまり奮闘記